暑さが和らぎ、季節の移ろいを感じるようになると心配なのが、インフルエンザです。
インフルエンザは秋から冬にかけて、主に飛沫感染と接触感染により罹患し、
38度以上の発熱や寒気、関節痛、筋肉痛、体のだるさなどの全身症状と、
喉の痛みや咳、頭痛などの症状が現れる季節性疾患の一つです。
インフルエンザの歴史は古く、紀元前には存在したといわれていますが、
その周期性に注目した16世紀のイタリアの占星術師たちが、「Influentiacoeli(星の影響)」という
言葉にちなんで「influenza」と呼んだのが始まりといわれています。
ちなみにSNSなどで活躍するインフルエンサーも、同じくラテン語の「影響(influentia)」が
語源となっていますので、名前のルーツは同じといえますね。
インフルエンザを予防するには、人ごみを避け、日頃から十分な栄養や休息を取るように
心掛けましょう。特に乾燥しやすい室内では、加湿器などを使うのも効果的です。
外出時のマスク着用や帰宅時の手洗いは、風邪の予防にもなりますのでおすすめです。
そして、流行前に予防接種を受けることが有効とされています。
流行の程度やピークは年によって異なりますが、例年11月~12月に増えて、1月~2月頃に
感染者が増加します。ワクチンを接種してから抗体がつくまで2週間程度かかり、
その効果が十分に持続する期間は約5カ月間とされていますので、予防接種は流行する前の
10月~11月頃にするとよいでしょう。
当院では本年は9月25日(水)からインフルエンザワクチン接種の予約受付を開始しました。
対象は、訪問診療のご契約をされているご本人様(患者様)と、同居のご家族様です。
診療に伺った際に、接種のご希望をお聞かせください。10月1日(火)から随時接種を始めます。
ワクチンを接種すると、注射の跡が赤みを帯びたり、はれたり、痛みを感じたりすることがあります。
接種後はいつも通りの生活をしてもかまいませんが、激しい運動は避けましょう。
入浴は差し支えありませんが、注射した部位を強くこすったりしないでください。
接種後24時間は健康状態の変化に注意し、クリニックとすぐに連絡が取れるようにしてください。
寒気や頭痛、発熱、全身のだるさなどがみられることもありますが、通常2日から3日のうちに
治ります。身体に強い異常がみられたときは、医師の診察を受けてください。
気にかかることや分からないことがありましたら、接種を受ける前に担当の医師や看護師に
相談のうえ、十分に納得してから接種してください。
なお、37度以上の発熱や、重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな方、
これまでにインフルエンザの予防接種を受けた後、2日以内に発熱、発疹、じんましんなど、
アレルギーと思われる異常がみられた方、ワクチンに含まれる成分により、アナフィラキシーを
起こしたことがある方は接種できません。
当クリニックでは他に、帯状疱疹ワクチンや肺炎球菌ワクチンの接種も行っています。
>>ホームページの「ワクチン」欄もご覧ください。